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看護師をはじめ、様々な資格取得にかかる授業等のキャッシュバックが出来る「専門実践教育訓練給付制度」ですが、手続きは自分自身で行なわなければならず「内容が複雑で申請しなかった」「入学してからでも出来ると思っていた」などの理由により、要件を満たしながらも利用しなかった方が多いようです。
手続等が多少面倒であってもこんなお得な制度を利用しないのは本当にもったいないです。
このページでは、制度についての気になる疑問や詳しい流れについて解説していますのでぜひご確認下さい。
制度の内容や他の奨学金がある場合についてはコチラのページをご覧ください。
→専門実践教育訓練給付金について
→専門実践教育訓練給付金で他の奨学金がある場合
教育訓練経費について
教育訓練経費とは、受講者本人が学校等(教育訓練施設)に直接支払った入学金や受講料をいいます。
学校によって違いはありますが、看護学校でかかる主な学費は、入学前や入学時にかかるものとして「入学金や施設整備費等」があり、入学後にかかるものとして「授業料や実習費や施設管理費」などがあります。その他、学校に通うまでの交通費等も必要となってきます。
そこで気を付けたいのが、「教育訓練経費=学費」とはならないということです。払う側からすれば学ぶために必要な費用と思うところですが、教育訓練経費に該当するものは限られているのでそうはいかないのです。具体的な費目と金額を使って説明すると下記のようになります。
<例>
例えば、看護専門学校で3年間にかかる学費が200万円であったとしても、下記のような場合は教育訓練経費に該当するのは130万円となります。
3年間の学費
入学金:20万円
施設整備費:15万円
教材費:15万円(書店から直接購入)
交通費:20万円
授業料:100万円
実習費:10万円
施設管理費:15万円
再試験料:5万円
合計:200万円
↓
教育訓練経費
入学金:20万円
施設整備費:15万円
教材費:15万円(書店から直接購入)
交通費:20万円
授業料:100万円
実習費:10万円
施設管理費:15万円
再試験料:5万円
合計:130万円
解説すると、施設整備費や施設管理費は受講料とは認められず、交通費や再試験料については必ずしも必要な費用とは認められないため対象外となります。
また、教材費は受講料に含まれますが、上記のように書店等から直接購入しなければならない場合は学校からの領収証がもらえないため対象外となります。
支給申請の時効について
専門実践教育訓練給付金には、支給申請期限(給付金をもらうための期限)があります。
その支給申請期限は原則として「支給単位期間の末日から起算して1ヶ月以内」となっています。4月から始まる学校の場合でいうと、1回目の支給単位期間は半年後の9月末までなので、支給申請期限は10月末までです。
この場合、原則として10月末までに支給申請をしなければいけないのですが、実は申請期限を過ぎた場合でも2年間の時効が設けられているのです。
下記、図を用いて解説します。
このように、学生として働きながら勤務をしていて「1ヶ月すべて予定があっていける時間がない」というような方でも時効までに2年間あるので大きな問題なく制度の利用ができるようになっています。
ただし、あくまで時効なので本来の支給申請期限はできるだけ守るようにしましょう。また、現在申請し忘れている方や諦めていた方で2年以内に該当する方はぜひ再度申請を行うようにして下さい。
受給資格確認申請は必ず入学の1ヶ月前までに行うこと
上記、支給申請の時効について解説してきましたが、受給資格確認申請(給付金が受けれる資格を確認する手続き)については時効がほとんどないため注意が必要です。その受給資格確認申請の手続きは「専門実践教育訓練を開始する日の1か月前まで」と決められています。
つまり、受給資格確認申請については「入学式等の1か月前まで」に行わなければなりません。
1ヶ月をきっているような場合は、「専門実践教育訓練の開始する月の前月末」つまり「入学式等の前月末」までであれば出来る可能性もありますのでとにかく急いでハローワークで手続きを済ませるようにして下さい。
もし、入学後にクラスメイト等が制度を利用していることを知って「自分も利用したい!」と思っても「時すでに遅し」となってしまいます。
必ず期限内に済ませるようにして下さいね。
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3年間受給する場合の流れについて
それでは最後に、看護学生として専門実践教育訓練給付金を3年間受給していく場合のシュミレーションを具体的な流れで説明していきたいと思います。
条件は下記のとおりとします。
修業年限
3年(H30.4.1~H33.3.31)
教育訓練経費
入学金は入学前の一時払い、授業料と実習費は月払いとします。
入学金:20万円
授業料:108万円(月3万円の3年間分)
実習費:18万円(月5千円の3年間分)
合計:146万円
このように、3年間で146万円(入学金・授業料・実習費の合計)もの費用がかかったとしても専門実践教育訓練給付金のキャッシュバックが102万2千円もあります。
そのため、実質43万8千円(146万円-102万2千円)で学ぶことができるということになります。本当に7割ものキャッシュバックがあるのは魅力的ですね。
改めて、専門実践教育訓練給付制度がお得な制度だとお分かりいただけたかと思います。
しっかり制度の内容や期限などの注意点等を把握して利用するようにしましょう。
<参考> 厚生労働省「教育訓練給付制度 (専門実践教育訓練) 関係手引」
<参考>厚生労働省「申請期限にかかる教育訓練給付リーフレット」
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