この奨学金は「給付型」ということもあり返済する必要はありません。制度の実施は平成30年度の入学生から行われます。そして、この奨学金の条件を満たす学生のみが利用することのできる制度となっています。

この給付型奨学金は、通常の返済義務がある日本学生支援機構の奨学金と比べると、対象者が大きく異なってきます。制度の対象者となられる方は、「進学するための手段」として大変おすすめの制度なのでぜひ利用するようにしましょう。

ちなみに、通常の日本学生支援機構の奨学金と同様で、専門課程の学生は利用出来ますが、准看護学校の学生については高等課程のため利用することが出来ないのでご注意下さい。

なお、通常の返済義務がある日本学生支援機構の奨学金についてはコチラのページで紹介しております。

→日本学生支援機構の奨学金について

 

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日本学生支援機構の給付型奨学金って何?

日本学生支援機構の給付型奨学金は、経済的に学業を続けていくことが本当に厳しい状況にある低所得者世帯の学生に対して、大学や専門学校などへの進学を支援する目的として、国により実施されているものです。

これまで、経済的な理由によって進学を断念せざるを得なかった学生がそのまま学び続けることが出来るようになるので、非常に魅力ある制度だと思います。

そして、平成30年度の学生から利用できる制度ですが、これから多くの学生さんの将来の夢を叶えるために利用されていくことでしょう。本当に「返さなくていい」というのは大きな魅力ですね。

どんな人が利用できるの?

給付型奨学金は、大学や専門学校・短大等に進学する希望を持っている方の中で、「家計基準」「学力・資質基準」「人物・健康基準」の3つの基準を満たすことが条件となります。

なお、「大学や専門学校・短大等に進学する希望を持っている方」というのは、下記の要件に該当する方となります。

①3月末に高等学校等を卒業見込みの方
②高等学校等を卒業後、2年以内の方(出身校を通して申込み可)
③高卒認定試験の合格者で合格後2年以内の方、または、機構の定める基準に該当する科目合格者もしくは合格見込みの方

 

ただし、この①~③の内、一度でも大学等に入学したことがある方については申込みすることができません。また、進学希望校が奨学金の取扱校でない場合も申込みすることができないのでご注意下さい。

では、「家計基準」「学力・資質基準」「人物・健康基準」の3つの基準について解説していきます。

 

家計基準

家計基準には2つの基準が設けてあり、そのどちらかを満たさなければなりません。1つは、父や母といった家計支持者の収入が少なく「住民税非課税世帯」であることで、2つ目は、「社会的養護が必要な方(児童養護施設退所者等)」であることです。

ちなみに、住民税非課税世帯とは下記のような形となります。非課税となる世帯年収の目安は家族構成(扶養される人数等)によって異なってきます。

家族形態世帯収入
目安
夫婦+子1人(高校生)221万円
夫婦+子2人(中学生・高校生)273万円
夫婦+子2人(中学生・大学生)295万円
夫婦+子3人(中学生・高校生・大学生)355万円
ひとり親+子1人204万円
ひとり親+子2人(中学生・高校生)260万円

<参考:NIKKEI STYLE 「子どもの教育、あきらめない 奨学金の最新事情 」

なお、社会的養護が必要な方については、非課税かどうかは問われません。

 

学力・資質基準

住民税非課税世帯の方(社会的養護が必要な方以外の方)の学力・資質基準については、下記の①または②のどちらかを満たす必要があります。

十分に満足ができる高い学習成績を収めており、進学後も特に優れた学習成績を収める見込みがあること

②教科外の活動で特に優れた成果を収め、おおむね満足ができる高い学習成績を収めており、進学後に特に優れた学習成績を収める見込みがあること

以上のようになります。

ちなみに、「学力・資質基準」の基準となっている「十分に満足ができる高い学習成績」というのは、簡単に言うと高校等における調査書の総合的評価が「A」であることを指します。

 

 

つぎに、社会的養護が必要な方の学力・資質基準についてです。

下記の①または②のどちらかを満たす必要があります。

①特定の分野において特に優れた資質能力があり、大学等への進学後、特に優れた学習成績を収める見込みがあること

②大学等における学習に意欲があり、大学等への進学後、特に優れた学習成績を収める見込みがあること

 

これまで、経済的に特に厳しかった社会的養護が必要な学生でもこれらの基準を満たせるような高い成績を収めることが出来れば夢に向かって進学を検討することが十分出来るようになっています。

 

人物・健康基準

人物・健康基準については、「学習活動その他生活の全般を通じて態度・行動が学生にふさわしく、将来良識ある社会人として活動できる見込みがあり、修学に十分耐え得るものと認められること」が条件としてあります。

つまり、奨学生としてふさわしい人物であり、将来的に社会人として活躍できる人物であるかどうかを満たしておかなければなりません。

 

このように、3つの基準である「家計基準」「学力・資質基準」「人物・健康基準」を満たさなければ給付金をもらうことはできません。

 

 

いくらもらうことができるの?

つぎに、給付型奨学金としてもらえる金額について解説していきます。給付型奨学金は、国公立の学校か私立の学校か、また、自宅通学か自宅外通学かによってもらえる金額が異なってきます。3年制、4年制での金額を表でまとめると下記のようになります。

 

区分短期大学・専修学校・専門課程(3年制)
国公立私立
通学手段自宅自宅外自宅自宅外
給付月額2万円3万円3万円4万円
給付月数36ヶ月
給付総額72万円108万円108万円144万円

 

区分大学
(4年制)
国公立私立
通学手段自宅自宅外自宅自宅外
給付月額2万円3万円3万円4万円
給付月数48ヶ月
給付総額96万円144万円144万円192万円

 

ちなみに、国立の学校で授業料の免除等を受けた場合には、国からのお金の2重支給となってしまうため減額されることになります。また、社会的養護を必要とする方には、これらとは別に入学一時金として24万円が給付されます。

 

 

どうやって申し込めばいいの?

申込みについては、今のところ進学後に手続きを行う「在学採用」は予定されておらず、進学前に進学先での奨学金を予約する「予約採用」のみで行われています。

そのため、進学する前に高等学校等で手続きを行うことになります。その際には、非課税証明書の提出や児童養護施設に入所していることを証明する書類を提出する必要があります。

そして、日本学生支援機構による書類審査が通れば採用決定となります。採用決定後は、進学後に進学した学校にて申込み手続きを行い、支給開始となります。

募集の時期や締め切り日などについては学校で必ず確認するようにして下さい。

 

 

注意しなければいけないことはあるの?

注意しなければならないことが、進学後もきちんといい成績を収めていかなければならないことです。

そうでないと、年に1回行われる適格認定制度によって成績の著しい不振等が分かれば「適切でない学生への給付」となってしまい給付が廃止されることもあります。

せっかく、進学前に高い成績を収めて採用されたにも関わらず、廃止されてしまっては本当に困ってしまいますよね。やはり、国からもらっているお金でもあるのでそれだけの自覚が必要となっています。

 

 

日本学生支援機構の給付型奨学金のまとめ

この制度は、経済的な理由で学ぶことが困難な学生の「進学をあきらめさせない!」といった思いから導入された新しい制度です。

実際に、対象になれる方にとっては返さなくていいので安心して学んでいくことが出来ると思います。ただし、給付型奨学金だけでは余裕を持って生活していくことは難しいとも考えられます。

そのため、進学後もアルバイトなどで何らかの収入を別に確保しなければいけません。また、通常の日本学生支援機構の奨学金のように他の奨学金との併用も可能なので利用することを考える必要もでてくるでしょう。

働きながら看護師を目指す方で制度の対象となりそうな方は、「給付型奨学金」と「病院からの奨学金や他の奨学金」、そして「病院で働いた分の収入」があれば看護師になるまでの在学中はやりくりしていけることと思います。

ただ、率直な意見としては、対象者が住民税非課税の世帯なのは、少し条件が厳しすぎる感じもします。国の予算の関係もあり仕方がないのかもしれませんが…。今後、よりいい方向に進んでいけばと思っています。

ぜひ、この制度の対象となれるような基準の方は採用してもらえるように高い成績を収めて必死に努力して下さいね。まさに、「頑張った者が報われる」そういった制度です。

<参考資料:日本学生支援機構「給付奨学金を希望する皆さんへ」(2017.12)